専門学校の罠に引っかかった事ついて 後編

 

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後編

4 筆者が行った専門学校から逃げる方法

 筆者は結局、専門学校から逃げる事にした。あまりにも生活が無味になったからである。筆者はクラスメイトがアメリカの国旗すら知らないことを知り、自分とは住む世界が違う人間だと距離を取ってしまっていたし、過去分詞と過去形の違いを説明する授業は聞かず、毎回新書を読むか、TOEIC、趣味の中国語を勉強していた。期末テストでは、これらの単語を正しく並べ替えなさい:morning、 good  という問題が出た。専門学校は当時の筆者にとって時間と高額な教育費を浪費する悪徳業者であった。

 そして退学した後、予備校へ1年通い学生ローンを組んで国立大学へ進学した。

 

5 専門学校の実態

 あの専門学校地獄から数年、大学3年となった今振り返ってみると専門学校はただのビジネスだったように思う。先生同士の連携がほぼ取れておらず、授業内容が丸かぶりなんて事も多々あったが、そんな事だってそもそも教育を目的にした施設ならばあり得ない事だろう。

 英語検定の受験を執拗に勧められたこともあったが、それも単に学校の”数字”を上げる為だったのだと、今になって思う。なぜなら、2級合格後に準1級の試験を進められた際、次の試験まであと3ヶ月しかなく、その3ヶ月の間に期末試験があるから次回の英語検定は見送ると言った私に、先生は「波に乗れ」と仰った。じっくり勉強する事を勧めない先生など初めて見た。

 つまり、彼らは先生でもなんでもなく、会社の利益のために働く「会社員」であるという事だ。客は学生。金髪にしようがまぶたを紫色のシャドウでキラキラにしようが怒れない。会社の「客」であるから。

 

6 学んだこと

 ここまで愚痴のように書き連ねたが、実際、筆者はこの失敗を通して学んだことも多かった。筆者は今教育について学習、研究をしているが、その分野へ興味が湧いた理由は専門学校で目の当たりにした現実があったからだ。その経験が筆者に「先進国であり全ての子供が学校へ通える国日本で、なぜ教育格差は起きるのか?」「勉強や昇進に興味がある人とない人の興味の差は一体何なのか?」そういった事へ興味を持たせた。一概に悪い経験とは言えないだろう。

 

7 進路選択のすすめ

 そんな悪徳業者のような学校の罠に捕まらないようにするにはどうしたら良いか。罠を見破るのは非常に難しいはずだ。筆者が言えることは、偏差値表示のある学校へ入学、または先輩の出身学校のチェックだ。良い学校を出てれば良いと言うわけでは勿論ないが、1つの指標にはなり得るはずだ。自分と環境が近い人間、学歴が近い人間とは気が合うし心地よさを感じるものだ。

 

ここに書いた例は全ての専門学校へ当てはまる訳ではなく、一部こういった学校が存在するという事である。

                                     以上

専門学校の罠に引っかかった事ついて 前編

前編

 

 今回は筆者が引っかかった専門学校の罠、犯した大失敗、意外に知られていない専門学校の実態について書く。

 

1専門学校を選んだ経緯

 筆者は偏差値50半ばの自称進学校の公立高校出身で学校が国公立大学をゴリ押ししていたためか、クラスで進学しない者はほぼおらず、進学しない者は公務員試験に合格した数人だけだった。

 筆者も大学進学をするつもりで、高校2年の秋、母親へ「この国立大学へ進学したい」と話をもちかけた。すると母親は衝撃的な言葉を発する。「この学校、寮がないなら無理よ。」学費を出し、アパート代、水道光熱費などを払うのは無理だということだった。筆者は悩んだ。悩んだ末、アルバイト三昧で勉強に身が入らなければ進学の意味がない...とその大学を諦めた。その後も情報収集などを行ったが、地元に行きたい学部がある大学がないため、専門学校に入学することにした。そうすれば大学へ3年時編入出来ると目論んだのである。

 

2衝撃的な専門学校の生徒達

 入学式の日、筆者は驚いた。髪染め禁止の学校の入学式なはずであるが、そこには金髪や茶髪の生徒が半数いた。挙句の果てには、超ビビットな黄色のダウンジャケットを羽織った生徒までが出席していたのである。小中高と頭の固い国公立出身の筆者はそういう生徒はすぐさま教師がつまみ出すだろうと想像したが、そんなことは式終了まで起こらなかった。

 そこからは驚きの連続であった。初めて筆者に話しかけてきた同級生は「地下鉄はJRなのかな?」と聞いてきた。筆者の学科は英語科であったが、初授業日の同級生との会話は「DoとDidの違いって何だか知ってる?」だった。白地図が配られ、国名を書き入れなさいという授業(この時点で英語学科の授業であるのか疑問)では、隣のクラスメイトの採点をしたが、中国の所にはアメリカ、ロシアにはアフリカ、アメリカ大陸にはオーストラリアと回答していた。漢字が読めない学生も多かった。クラスメイト同士の会話で「うち、週5で遅刻も欠席もしないで学校の来てんだよ〜?すごくね〜?」という言葉を聞いたこともあった。

 

3偽りのオープンキャンパス

 筆者は高3の秋にその専門学校のオープンキャンパスへ行った際、「英語学科は英語漬けの毎日が送れます!」との文言を聞いた。言語は文法云々よりも聞いて、使うことに習得のプロセスがあるだろうと考えていた筆者は、効率よく英語が学習出来るのでないかと考えた。それは志望校決定にも大きな影響を及ぼした。

 ところが、それは真っ赤な嘘だったのである。実際、入学してみると全編日本語の授業、更に日本語がたどたどしいアメリカ人講師までもが一生懸命日本語で授業していた。異様な光景であった。授業内容も非常に陳腐で、Be動詞の説明から始まった。筆者は毎日、朝6時起床し「Tom toller than robert この文ではトムの方が身長が高い事を意味します」などと、いわば中学生、またはそれ以下の授業を受けに行き、夕方6時半に帰宅する生活を送った。

 

 

 

 

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